まっさんわさびが品評会で「貳等賞」に。目指すのは3つのREVIVALと、東京都知事賞!

貳等賞

奥多摩町農林産物品評会

先日行われた奥多摩町農林産物品評会で、私が育てたわさびが「貳等賞」をいただきました。

奥多摩町農林産物品評会で貳等賞をいただいたわさびと
奥多摩町農林産物品評会にて。貳等賞をいただいたわさびと
掘り上げた奥多摩わさび奥多摩わさび
奥多摩のわさび田で育ったわさび

わさび作りを始めてから、うまくいかなかったことは何度もあります。

  • 鹿に葉を食べられたり、
  • イノシシに畑を荒らされたり、
  • 蝶の幼虫に葉を食べ尽くされたこともありました。
  • 水の流れが変わり、育ちが悪くなったこともあります。
冬は雪に埋もれることも
冬は雪に埋もれることも

そのたびに畑を直し、植え直し、経験のある生産者の方に教えてもらいながら続けてきました。

崩れたわさび田を、石を積み直して再生

BEFORE落ち葉に埋もれ、石垣が崩れた状態
AFTER石垣を積み直し、畑の形を取り戻した状態
左:落ち葉に埋もれ、石垣が崩れた状態 右:石垣を積み直し、畑の形を取り戻した状態

荒れていたわさび田に、もう一度水を流す

BEFORE長く使われず荒れていたわさび田
AFTER石垣を直し、水が流れ始めたわさび田
左:長く使われず荒れていたわさび田 右:石垣を直し、水が流れ始めたわさび田

今回の受賞は、そうした積み重ねが、わさびそのものの品質として一つ形になった結果です。

素直にうれしいです。

ただ、OKUTAMA WASABI REVIVALが目指しているのは、良いわさびを作ることだけではありません。

私自身も、ただ「わさび屋になりたい」という理由でこの活動を続けているわけではありません。

このプロジェクトには、3つのREVIVALがあります。

3 REVIVALS, ONE CYCLE

目次

3つのREVIVAL

NATURE水と生きもの
SKILL技術
FOOD食文化

NATURE REVIVAL

水と生きものを再生する。

現在、再生を進めているわさび田は22か所あります。

22か所のわさび田を再生中

わさび田を使い続けるには、水が流れる環境を維持しなければなりません。

水が流れ、わさびが育つわさび田
水が流れ、わさびが育つわさび田

水路にたまった土砂や落ち葉を取り除く。崩れたところを直す。水の流れを確認する。

そうした手入れを続けることで、水辺の環境も維持されていきます。

今後は、大学などとも連携しながら、わさび田周辺の生物多様性についても調査していきたいと考えています。

わさび田で出会ったトウキョウサンショウウオ
わさび田で出会った、レッドリストに掲載されている「トウキョウサンショウウオ」

わさび田の周りには、学術的価値の高い生きものがたくさん住んでいます。

わさびを作ることと、水辺の環境を守ることは別の話ではありません。

畑を使い続けることが、その場所に人が関わり続けることにもつながります。

これがNATURE REVIVALです。

SKILL REVIVAL

技術を再生する。

奥多摩には、長年わさびを作ってきた熟練の生産者がいます。

私も、その方々から多くのことを教えてもらっています。

水の見方、石の組み方、苗の植え方、季節ごとの管理。

文章だけでは伝わらないことがたくさんあります。

一方で、こうした技術は、伝える人がいなくなれば失われてしまいます。

そこで、現場で教えてもらったことを「現代版手引書」として整理していきます。

FIELD+ TEXT+ DATA

FIELD+TEXT+DATA。

実際の畑で学び、文章として残し、必要な情報はデータでも蓄積する。

そして、それを次の人に伝えていく。

仲間と一緒にわさび田で作業
仲間と一緒にわさび田で作業
100人/年に伝える

年間100人に伝えることを一つの目標にしています。

技術を保存するだけではなく、使われ続ける形にする。

これがSKILL REVIVALです。

FOOD REVIVAL

食文化を再生する。

わさびは、作って終わりではありません。

食べてもらって初めて、食文化として続いていきます。

私が大切にしている言葉の一つに、

「江戸の寿司屋に江戸のわさびを」

があります。

東京で育ったわさびを、東京の寿司屋で使ってもらう。

一方で、わさびは寿司やそばだけのものでもありません。

焼き魚にも合います。
肉にも使えます。
茎や葉、花にも食べ方があります。

現在は、店舗への提供だけでなく、個人への販売やイベントでも、奥多摩わさびを食べてもらう機会を増やしています。

わさびを特別なものとして飾るのではなく、もう一度、普通に食べてもらえるものにしていきたい。

これがFOOD REVIVALです。

ONE CYCLE

3つをつなぐのが、わさびです

NATURE REVIVAL。
SKILL REVIVAL。
FOOD REVIVAL。

この3つは、それぞれ別の活動ではありません。

  1. わさび田を再生することで、水辺の環境が維持されます。
  2. そこでわさびを作り続けることで、技術が残ります。
  3. 育ったわさびが店舗や家庭、イベントで使われることで、食文化が残ります。
  4. そして、食べる人が増えれば、またわさびを作る理由が生まれます。
NATURE→SKILL→FOOD→NATURE

この循環そのものが、OKUTAMA WASABI REVIVALです。

NEXT GOAL

いつかは東京都知事賞を目指して

今回の貳等賞は、とても大きな励みになりました。

ただ、まだ先があります。

品評会の最高評価は「東京都知事賞」です。

奥多摩で長くわさびを作ってきた生産者の方々がいる中で、その評価をいただくのは簡単なことではありません。

それでも、いつか目指したいと思っています。

いつかは、品評会の最高位である東京都知事賞を。

良いわさびを作ることは、このプロジェクトにとっても大切です。

品質が上がれば、食べてもらえる機会が増えます。

食べてもらえれば、作り続ける理由が生まれます。

そして、畑も技術も残していけます。

だから、東京都知事賞を目指します。

ただし、それが最終目的ではありません。

  • 水と生きものを再生する。
  • 技術を再生する。
  • 食文化を再生する。

この3つが循環し続ける状態をつくること。

それが、OKUTAMA WASABI REVIVALの目標です。

今回の貳等賞は、その途中でいただいた一つの結果です。

ここからまた、次へ進んでいきます。

奥多摩の山とともに
奥多摩の山とともに

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この記事を書いた人

◆ MA-SAN
1978年製山岳仕様。登山歴25年。
中学生の頃から奥多摩に通う奥多摩好き。
本業はヤマデハタラクヒト(rescue & First Aid)

◆わさび栽培
中学生の頃見た「緑の階段」が忘れられず
興味を持っていたわさび栽培への道を模索。

2023年から奥多摩のわさび職人のもとで
本格的にわさび栽培に取り組み始める。

仕事の傍、多くの廃耕田を発見し、
2023年山歩きの途中で30年以上は
使われてないであろう理想のわさび田を発見。
山林を所有する町と契約し耕作を開始する。

2024年より奥多摩わさび組合に所属、
先輩方のもとで伝統的なわさび栽培を学ぶ。

◆きのこ栽培
わさび田の傍で奥多摩の清涼な空気と清流を利用した、
きのこ栽培にも取り組み中。

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