奥多摩町農林産物品評会
先日行われた奥多摩町農林産物品評会で、私が育てたわさびが「貳等賞」をいただきました。



わさび作りを始めてから、うまくいかなかったことは何度もあります。
- 鹿に葉を食べられたり、
- イノシシに畑を荒らされたり、
- 蝶の幼虫に葉を食べ尽くされたこともありました。
- 水の流れが変わり、育ちが悪くなったこともあります。

そのたびに畑を直し、植え直し、経験のある生産者の方に教えてもらいながら続けてきました。
崩れたわさび田を、石を積み直して再生


荒れていたわさび田に、もう一度水を流す


今回の受賞は、そうした積み重ねが、わさびそのものの品質として一つ形になった結果です。
素直にうれしいです。
ただ、OKUTAMA WASABI REVIVALが目指しているのは、良いわさびを作ることだけではありません。
私自身も、ただ「わさび屋になりたい」という理由でこの活動を続けているわけではありません。
このプロジェクトには、3つのREVIVALがあります。
3 REVIVALS, ONE CYCLE
3つのREVIVAL
NATURE REVIVAL
水と生きものを再生する。
現在、再生を進めているわさび田は22か所あります。
わさび田を使い続けるには、水が流れる環境を維持しなければなりません。

水路にたまった土砂や落ち葉を取り除く。崩れたところを直す。水の流れを確認する。
そうした手入れを続けることで、水辺の環境も維持されていきます。
今後は、大学などとも連携しながら、わさび田周辺の生物多様性についても調査していきたいと考えています。

わさび田の周りには、学術的価値の高い生きものがたくさん住んでいます。
わさびを作ることと、水辺の環境を守ることは別の話ではありません。
畑を使い続けることが、その場所に人が関わり続けることにもつながります。
これがNATURE REVIVALです。
SKILL REVIVAL
技術を再生する。
奥多摩には、長年わさびを作ってきた熟練の生産者がいます。
私も、その方々から多くのことを教えてもらっています。
水の見方、石の組み方、苗の植え方、季節ごとの管理。
文章だけでは伝わらないことがたくさんあります。
一方で、こうした技術は、伝える人がいなくなれば失われてしまいます。
そこで、現場で教えてもらったことを「現代版手引書」として整理していきます。
FIELD+TEXT+DATA。
実際の畑で学び、文章として残し、必要な情報はデータでも蓄積する。
そして、それを次の人に伝えていく。

年間100人に伝えることを一つの目標にしています。
技術を保存するだけではなく、使われ続ける形にする。
これがSKILL REVIVALです。
FOOD REVIVAL
食文化を再生する。
わさびは、作って終わりではありません。
食べてもらって初めて、食文化として続いていきます。
私が大切にしている言葉の一つに、
「江戸の寿司屋に江戸のわさびを」
があります。
東京で育ったわさびを、東京の寿司屋で使ってもらう。
一方で、わさびは寿司やそばだけのものでもありません。
焼き魚にも合います。
肉にも使えます。
茎や葉、花にも食べ方があります。
現在は、店舗への提供だけでなく、個人への販売やイベントでも、奥多摩わさびを食べてもらう機会を増やしています。
わさびを特別なものとして飾るのではなく、もう一度、普通に食べてもらえるものにしていきたい。
これがFOOD REVIVALです。
ONE CYCLE
3つをつなぐのが、わさびです
NATURE REVIVAL。
SKILL REVIVAL。
FOOD REVIVAL。
この3つは、それぞれ別の活動ではありません。
- わさび田を再生することで、水辺の環境が維持されます。
- そこでわさびを作り続けることで、技術が残ります。
- 育ったわさびが店舗や家庭、イベントで使われることで、食文化が残ります。
- そして、食べる人が増えれば、またわさびを作る理由が生まれます。
この循環そのものが、OKUTAMA WASABI REVIVALです。
NEXT GOAL
いつかは東京都知事賞を目指して
今回の貳等賞は、とても大きな励みになりました。
ただ、まだ先があります。
品評会の最高評価は「東京都知事賞」です。
奥多摩で長くわさびを作ってきた生産者の方々がいる中で、その評価をいただくのは簡単なことではありません。
それでも、いつか目指したいと思っています。
いつかは、品評会の最高位である東京都知事賞を。
良いわさびを作ることは、このプロジェクトにとっても大切です。
品質が上がれば、食べてもらえる機会が増えます。
食べてもらえれば、作り続ける理由が生まれます。
そして、畑も技術も残していけます。
だから、東京都知事賞を目指します。
ただし、それが最終目的ではありません。
- 水と生きものを再生する。
- 技術を再生する。
- 食文化を再生する。
この3つが循環し続ける状態をつくること。
それが、OKUTAMA WASABI REVIVALの目標です。
今回の貳等賞は、その途中でいただいた一つの結果です。
ここからまた、次へ進んでいきます。

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