【番外編】仲間の栄誉に学び、励まされる──ふれあいまつりと品評会

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町制施行70周年記念「第40回奥多摩ふれあいまつり」

2024年、奥多摩町は町制施行70周年を迎え、その記念事業の一環として「第40回奥多摩ふれあいまつり」が開催されました。

町内の人たちが一堂に会するこのお祭りは、地元の農産物や伝統文化が披露される大切な場でもあり、私が取り組んでいる“わさび”も、「農林産物品評会」の中で主役の一つとして出品されました。

先輩方の“分身”としてのわさび

私の所属する奥多摩わさび組合からも、多くの先輩方が自ら育てたわさびを出品。

それぞれが自分の畑から、心を込めて育てた“分身”のような一本を手に取り、台の上に並べる光景は、何とも言えない緊張と誇りが入り混じった瞬間でした。

太さ、色、形、根茎の張り──その一本一本に、畑の環境や手入れの丁寧さ、そして人柄までもが現れているようでした。

特等賞・東京都知事賞に輝いたのは

栄えある「特等賞」そして「東京都知事賞」に選ばれたのは、私と同年代で、普段から技術を教えていただいたり、作業を一緒にさせてもらっている仙野さんのわさびでした。

その発表を聞いたとき、まるで自分のことのように嬉しく、胸が熱くなりました。

ここに選ばれることは、ただ“良いわさび”を作ったというだけでなく、栽培の姿勢や継続の力、地域の自然と向き合ってきた証でもあります。

日々の小さな手間や工夫が、こうして一本のわさびに結実する。その重みを、改めて感じました。

来年、私も挑戦へ

ありがたいことに、組合の先輩方から「来年はお前も出品しろよ」「頑張ってるんだから」といった温かい励ましの言葉をいただきました。

まだまだ未熟な私ですが、だからこそ今は一歩ずつ、コツコツと努力を積み重ねるしかありません。

わさび栽培は、焦っても結果は出ません。自然のリズムに合わせて、自分の手で環境を整え、時に失敗もしながら、それでも前を向いていく作業です。この賞の背景にある日々の営みを目の当たりにして、私も「出品したい」という気持ちが強くなりました。

“つくる人”としての背中を見て

品評会で見た先輩方の姿には、ただ技術だけでなく、“つくる人としての生き方”がありました。わさびの一本が、奥多摩の水と空気と手のぬくもりの中で育まれていくように、私自身もこの土地でじっくりと根を張り、力強く伸びていけるような存在になりたい。

ワサビ作りの師匠、三田さんの美しい鬼緑(オニミドリ)

次の春、次の秋、そしてまた来年のふれあいまつり。その日を目指して、静かに、でもしっかりと土に向き合っていきたいと思います。

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この記事を書いた人

◆ MA-SAN
1978年製山岳仕様。登山歴25年。
中学生の頃から奥多摩に通う奥多摩好き。
本業はヤマデハタラクヒト(rescue & First Aid)

◆わさび栽培
中学生の頃見た「緑の階段」が忘れられず
興味を持っていたわさび栽培への道を模索。

2023年から奥多摩のわさび職人のもとで
本格的にわさび栽培に取り組み始める。

仕事の傍、多くの廃耕田を発見し、
2023年山歩きの途中で30年以上は
使われてないであろう理想のわさび田を発見。
山林を所有する町と契約し耕作を開始する。

2024年より奥多摩わさび組合に所属、
先輩方のもとで伝統的なわさび栽培を学ぶ。

◆きのこ栽培
わさび田の傍で奥多摩の清涼な空気と清流を利用した、
きのこ栽培にも取り組み中。

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