【大丹波湧水廃耕田#】川からの力を借りて──2024年4月4日のポンプ掛け作業記録

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前回までの進捗状況

大丹波湧水廃耕田では、鹿害からの復旧を進めながら、栽培環境の整備を段階的に進めています。先日はポンプの設置を完了し、本日は本格的な「ポンプ掛け」を実施することになりました。ワサビの成長にとって土の状態は非常に重要であり、今回の作業は土壌を耕すことと同じくらい、いやそれ以上に重要な意味を持つ工程です。

本日の作業内容

4月4日、本日は昨日投入した下半式ポンプを使い、わさび田の地面をポンプ掛けしました。この作業は、下の川から水を吸い上げてホースを通し、地面に勢いよく水を噴射していくもので、水の力で土をほぐし、古い堆積物を流す“水耕式の耕起作業”です。

写真は実際に水を噴射しながら土を起こしているところ。水が当たった部分の地面はふわふわと柔らかくなり、植え付けのための理想的な状態に近づいていきます。

観察できた変化

このポンプの先端は、自作で組み立てたもの。勢いよく噴出する水の圧によって、土の中に溜まっていた有機物や細かいゴミ、目の詰まった泥が浮き上がり、下流へと流れていきました。空気を含んだことで酸素も入り込み、表面だけでなく、根の張る深さまで柔らかくなったのを実感できます。

こちらが作業終了後の畑。土の表面は一度完全に水を通されたことで、しっとりとしながらもふかふかと柔らかく、ゴミや有機物の多くが洗い出されました。見た目以上に中身が変わった感触がありました。

次の作業予定

この整地をもとに、次は苗の植え付けの準備に入っていきます。かき子(わけつ根)や実生苗の活着を良くするためにも、根がしっかり伸びる土の状態を維持する必要があります。今後は数回に分けてポンプ掛けを繰り返すことで、より理想的な環境に仕上げていく予定です。

気づいた課題や改善点

今回の作業で感じたのは、「面積が広い畑ほど、ポンプ掛けの重要性が増す」ということです。特にこの大丹波の畑のように、日当たりも水通しも良い場所では、丁寧に耕しておくことで作業効率も上がります。ポンプの導入には3万円ほどの初期費用がかかりましたが、その価値は十分にあると実感しました。

また、自作のホース先端の形状や水圧の調整は引き続き工夫の余地がありそうです。次回はパーツを改良し、より効率よく土の中に水が入るような構造を試してみたいと思います。

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この記事を書いた人

◆ MA-SAN
1978年製山岳仕様。登山歴25年。
中学生の頃から奥多摩に通う奥多摩好き。
本業はヤマデハタラクヒト(rescue & First Aid)

◆わさび栽培
中学生の頃見た「緑の階段」が忘れられず
興味を持っていたわさび栽培への道を模索。

2023年から奥多摩のわさび職人のもとで
本格的にわさび栽培に取り組み始める。

仕事の傍、多くの廃耕田を発見し、
2023年山歩きの途中で30年以上は
使われてないであろう理想のわさび田を発見。
山林を所有する町と契約し耕作を開始する。

2024年より奥多摩わさび組合に所属、
先輩方のもとで伝統的なわさび栽培を学ぶ。

◆きのこ栽培
わさび田の傍で奥多摩の清涼な空気と清流を利用した、
きのこ栽培にも取り組み中。

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