【畳石式廃耕田#20】再生への土台づくり──2024年1月4日の作業記録

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前回までの進捗状況

大丹波のワサビ田では、廃耕状態からの復旧作業が少しずつ進んできました。

中でも、鹿による食害は大きな課題となっており、前年には大切に育てていた苗の多くが失われてしまいました。

そこで今回は、本格的な栽培再開の前段階として、「守り」を固めるための防獣対策に着手することになりました。

本日の作業内容

2024年1月4日は、防獣対策としてワサビ田の周囲にネットを張り巡らせる作業を行いました。

事前に50メートル分のネットを山へ運び入れ、どのように設置すれば効果的かを現地で考えながらの作業となりました。

ネット張りは初めての経験で、力のかかる箇所や固定の仕方など分からないことも多く、手探りのスタートでした。

この日は師匠が同行してくださり、まずはワサビ田周辺の木を伐採して整地を行い、その後ワイヤー入りのネットを設置。

しっかりと張ることで、シカやイノシシの侵入を防ぐことが目的です。

観察できた変化

ネットは全周にわたり、しっかりと張り巡らせることができました。

写真のように、わさび田の上からも下からも動物が入り込めないよう、地面には丸太を敷き詰めてネットの足元を固定しています。

これによって、倒される・くぐられるといった被害リスクが大きく軽減されたと感じています。

さらに、鹿除けとしてオレンジ色の目印テープを付けたロープもワサビ田の上部に張り巡らせました。

目立つ色とロープの張力で、動物が近づきにくい環境を作っています。

視覚的にも「ここには何かある」と警戒心を与えることができていると考えています。

次の作業予定

この防獣対策によって、今後の苗の植え付けや生育をより安心して進められるようになりました。

今後はネットの点検と補強を継続的に行いながら、春に向けて段の整備、水の流れの調整、新たな苗の試験的植え付けなどを段階的に進めていく予定です。

気づいた課題や改善点

ネットの設置は思っていた以上に手間と工夫が必要であり、特に地面の凹凸や木の配置に応じた柔軟な対応が求められる作業だと実感しました。

また、ネットが風や動物によってずれたり破損するリスクもあるため、今後は定期的な見回りと補修の重要性が増してくると感じています。

さらにこの日は、師匠の畑から分けていただいた「まさみどり」という品種の“かき子”(分けつ根)も試験的に植え付けました。

新しい環境での生育状況を慎重に観察しながら、栽培方法を調整していく予定です。

今はまず、葉や茎といった素材が育つことを目標とし、実生苗も含めて丁寧に見守っていきます。

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この記事を書いた人

◆ MA-SAN
1978年製山岳仕様。登山歴25年。
中学生の頃から奥多摩に通う奥多摩好き。
本業はヤマデハタラクヒト(rescue & First Aid)

◆わさび栽培
中学生の頃見た「緑の階段」が忘れられず
興味を持っていたわさび栽培への道を模索。

2023年から奥多摩のわさび職人のもとで
本格的にわさび栽培に取り組み始める。

仕事の傍、多くの廃耕田を発見し、
2023年山歩きの途中で30年以上は
使われてないであろう理想のわさび田を発見。
山林を所有する町と契約し耕作を開始する。

2024年より奥多摩わさび組合に所属、
先輩方のもとで伝統的なわさび栽培を学ぶ。

◆きのこ栽培
わさび田の傍で奥多摩の清涼な空気と清流を利用した、
きのこ栽培にも取り組み中。

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